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旅も登山も風景や花があって、幸せを感じます。豊かな気持ちになれます。

童話「月に行った兎」
むかし、日本の国では生き物を殺すことを殺生(せっしょう)といって、なるべくしないよ
うにしていました。
それでも、人は野菜のものでも果物のものでも動物のものでも、その命をもらって食べない
と生きていかれません。
ですから、食べ物を頂くときは、好き嫌いをしたり食べ残しをしたりしないで、感謝しなが
ら大切にして食べました。
世界の国々の中には、牛は決して食べない国もあれば、豚を食べてはいけないとする国もあ
ります。
それは、その国に住む人たちのおやくそくごとなのです。
日本では、鳥は食べても良いが、足が4本ある動物を食べてはいけないということになって
いました。
それなのに、ウサギは食べました。
ウサギは、「う」と「さぎ」と分けて呼んで、鵜という鳥と鷺という鳥が一緒になったもの
だというりくつをつけて、トリだということにしたのです。
ですから、ウサギは他の動物のように1匹2匹とか1頭2頭とか数えないで、鳥と同じよう
に1羽2羽と数えます。

ある日、山で昼寝をしながらウサギは考えました。
「人間に捉まると食べられてしまうから、逃げる練習をしておかなくてはならない。」
早く走ることは得意だけれど、ジャンプする力だって、練習すればもっと高く飛び上がるこ
とができるようになるに違いない。
ウサギは毎日ぴょんぴょんとびはねて練習をくりかえしました。

何か月かした晴れたある日、犬を連れた狩人が、ウサギ狩りのために山にやってきました。
ウサギは必死で逃げましたが、追いかける犬も走ることが早いのです。
もう少しで追いつかれそうになったウサギは、「そうだ、練習した通りに飛び上がればいい
んだ。」と思いました。
力いっぱい飛び上がったウサギは、勢い余って月まで行ってしまいました。
犬から逃げ切れたことにほっとしたウサギなのですが、気が付くとたいそうおなかがへって
いました。
しかし、餌になりそうな草は一本もはえていません。
ほうぼう探しまわっているうちに、夜になってしまいました。
その夜は満月でした。
おなかをすかせたウサギを見たお月様が優しくいいました。
「この先の広場に、『こがねのうす』と『ぎんのきね』があるから、それでおもちをついて
食べなさい。」
よろこんだウサギは、いっしょけんめいにおもちをつきはじめました。
途中でうさぎは気が付きました。
「そうだ、お月様だってお腹がすいているに違いない。」
自分のぶんだけなら少しでいいけれど、大きなお月様さまのぶんまでということになるとた
いへんでした。
せっせとお餅をつきつづけているうちに、とうとう朝になってしまいました。
よふかしをしたウサギの目は、まっかに変わってしまっていました。
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